あのチャン・ドンゴンもイ・ビョンホンも一度しか受賞できなかった幻の青龍賞男優主演賞。
毎年韓国で公開される韓国映画約150~160作の中で、素晴らしい映画に恵まれ、演技がうまいのはもちろん、興行までへも影響を与え、その年の青龍の男―青龍賞男優主演賞に選ばれるのはなかなか難しいものです。
そんな難しいものに3度も選ばれた俳優は、2000年前後から言えば『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクです。(2000年前は省略) 1回目は、2001年(22回)に浅田次郎の短編小説「ラブ・レター」を映画化した恋愛映画「パイラン」で、2回目は、2003年(24回)土屋ガロン(作)、嶺岸信明(画)の同名漫画『ルーズ戦記 オールドボーイ』を映画化した『オールド・ボーイ』で、3回目は、『悪いやつら(原題:犯罪との戦争)』でした。彼は、青龍賞男優主演賞に選ばれる前、韓国映画が世界的に評価されるようなった映画『シュリ('99) 』で北朝鮮の工作員に扮した際すでに、彼の可能性を強く見せつけていました。
次は2度選ばれた俳優は、アン・ソンギ、ソン・ガンホ、ソル・ギョング、ファン・ジョンミンです。 韓国で国民俳優と呼ばれている名優アン・ソンギは、1回目は1990年(11回)に『南部軍)』で、2回目は2006年(27回)に『ラジオ・スター』で受賞しました。
チェ・ミンシクとともに映画『シュリ』('99)で主演のハン・ソクギュの相棒を演じ演技力の可能性を放っていたソン・ガンホは、1回目は2007年(28回)に『優雅な世界』で、2回目は、2014年(35回)に弁護士時代の故・盧武鉉大統領に扮し1100万人を超える観客も動員した『弁護人』で受賞しました。
日本では『シルミド SILMIDO』で有名になったソル・ギョングは、1回目は、2000年(21回)に韓国の日本文化開放後、両国が最初に取り組んだNHKと韓国の共同制作映画『ペパーミント・キャンディー』で、2回目は、2002年(23回)に『公共の敵』で受賞しました。
ファン・ジョンミンは、 1回目は、2005年(26回)に演技派女優チョン・ドヨン(第60回 カンヌ国際映画祭女優賞受賞)と呼吸を合わせた『ユア・マイ・サンシャイン』で、2回目は、2013年(34回)にチェ・ミンシク・イ・ジョンジェと呼吸を合わせた『新しき世界』で受賞しました。
後、1度選ばれた俳優は、ハン・ソクギュ、チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ、キム・ユンソク、チョン・ジェヨン、キム・ミョンミン、パク・ヘイル、ユ・アイン、イ・ビョンホン等です。
あの「シュリ」のハン・ソクギュは、1997年18回に『グリーンフィッシュ』で、 チャン・ドンゴンは、2004年(25回)に民族を二分した朝鮮戦争に翻弄される兄弟を描いた映画で、ウォンビンが扮した弟を持つ兄役を演じた『ブラザーフッド(原題:太極旗翻して)』で、 イ・ジョンジェは、1999年20回にチョン・ウソンと共に主演を務めた『太陽はない』で キム・ユンソクは、2008年(29回)にハ・ジョンウと共演した『チェイサー』で、 キム・ミョンミンは、2009年(30回)に『私の愛、私のそばに』で、 チョン・ジェヨンは、2010年(31回)に『黒く濁る村(原題:苔)』で、 パク・ヘイルは、2011年(32回)に『神弓-KAMIYUMI-(原題:最終兵器 弓)』で、 ユ・アインは、 2015年35回に『王の運命 -歴史を変えた八日間(原題:思悼)』で、 イ・ビョンホンは、2016年(37回)に『インサイダーズ/内部者たち』で受賞しました。 特にイ・ビョンホンは韓国のレオナルド・ディカプリオといわれるほど青龍映画賞男優主演賞にはなかなか届かず男優主演賞7回ノミネートで6回失敗、7回目で念願の男優主演賞を手にしました。
一方、チャン・ドンゴンは1997年(18回)に『敗者復活戦』で新人男優賞を、1999年(20回)には『NOWHERE ノーウェアー(原題:情け容赦なし)』で男優助演賞受賞し、イ・ジョンジェは1995年(16回)に『若い男』で新人男優賞を、2013年(34回)には『観相師』で男優助演賞受賞し、チャン・ドンゴンとイ・ジョンジェは新人男優賞、男優助演賞、男優主演賞を席巻しました。
来る11月25日開かれる青龍映画賞受賞式で今年の青龍の男―男優主演賞に選ばれるのは、果たして誰でしょうか?「ザ・キング」のチョ・インソンが新たに青龍の男に名を連ねることができるのか益々授賞式の結果が楽しみです。
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