今回第37回青龍映画賞審査対象映画の中、時代劇では韓国伝統文化や美しい韓国風景が堪能できます。
まず、 チャ・スンウォン主演の「古山子 大東輿地図」の大東輿地図は、古山子金正浩(チャ・スンウォン扮)が農民も自由に使えるように1861年に完成させた地図のことです。大東輿地図の完成に対する執念深い彼の人生を描いた作品なので、もちろんチャ・スンウォンの熱い演技も見どころですが、地図を作るために全国を回るシーンで映し出された風景はまぶしいほど美しい作品です。韓国の美しい風景を韓国人に知らせるため、CGを一切使わず季節を待って各々の四季を撮影したという監督の気持ちが伝わるような気がする程、韓国の美しい風景を堪能できます。
それから、ハン・ヒョジュ主演の1943年悲運の時代、最後の妓生の隠された物語を描いた「解語花」では、ずば抜けた美貌と卓越した唱法で最高の芸能人と呼ばれるソユルを演じたハン・ヒョジュが劇中披露した「正歌」は韓国人でも初めて聞く人が多いはずです。初めて聞くにも関わらずなぜか脳裏から離れなれないメロディーとリズムはまるで歌ではなく魂の呼吸のような不思議な歌です。「正歌」は高麗時代から伝承してきた韓国伝統声楽曲で、歌曲、歌詩、詩調を総称なのですが、ハン・ヒョジュが披露したのは、その中のユネスコ世界無形文化遺産にも指定された歌曲のことです。もちろんその時代の雰囲気等を漂わせる出演者たちの名演技も、美しい韓服も見どころです。
同じくユネスコ世界無形文化遺産である「パンソリ」の関する映画「桃梨花歌(トリファガ)」ではMissAのスジが実在の人物だった朝鮮初の女流歌い手ジン・チェソンを演じました。「パンソリ」といえば林權澤監督の「西便制」を思い出す方々もいると思いますが、本映画では「MissAのスジの「パンソリ」が楽しめます。
あとは、ユ・スンホ主演の二つの時代劇ですが、「朝鮮魔術師」では天才魔術師を「ボンイ キム・ソンダル」では天才詐欺師を演じています。 天才魔術師と王女の美しくも切ないファンタジー・ラブストーリーの「朝鮮魔術師」では成長したユ・スンホの演技はもちろん映し出された美しい韓国の隠れた名所が、幻想的な雰囲気を醸し脱し夢のようなファンタジー・ラブストーリーをより一層楽しませくれます。
ユ・スンホが天才詐欺師に扮し良い演技を見せてくれた「ボンイ キム・ソンダル」では、若くセクシーな詐欺師に相応しい美しいユ・スンホの韓服の姿に魅了されます。また、EXO シウミンの韓服の姿も見逃せません。
これら時代劇映画からも第37回青龍映画賞受賞作(者)が出るのではと期待が高まります。
第37回青龍映画賞授賞式は来る11月25日ソウルのギョンヒ大学平和の殿堂にて開催され、SBSで生中継される予定です。