映画監督を目指している娘は、１６世紀フランス作家ミシェル・ド・モンテーニュの「エセー」を翻訳中のフランス文学学者,母についてフランスへ行くことにする。しかし、出発を前にして思いもよらぬ死と出くわし、旅はその悲しみの上でしばらく漂流する。

 

グリーンランドのロックバンド「スメ」は１９７３年から１９７６年まで３枚のアルバムを出し、グリーランドの歴史を変えた。政治的なメッセージが込められた彼らのアルバムにはグリーンランド語で録音された初のアルバムで、「革命」や「抑圧」のような言葉をグリーンランド語で広めた。「スメ」はグリーンランドの文化と主体性を生き返らせて、２５０年間続いたデンマークの統治から抜け出し独立政府をたてる為の足場となった。

 

国家経済が混乱に陥ったギリシャはまるで戦争後のような状況である。ホームレスや失業者らが増加して、貧困と暴力が衝突し、全国的に極右勢力が勢いを増している。この危機を乗り越えらる方法はあるのだろうか。この映画はこのような危機に至るまでの過程と国民に及ぼした影響、そして、ファシズムのはびこりを観察して利害関係者らから答えを探ってみる。

 

競争が激しいことで有名な学校のキャンパスで自害事件が起こる。監督は事件の証言をきっかけに学生たちの暴力パターンに関心を持つ。４人の学生が実験に参加することになり、疲れきった彼らの複雑な心理と隠された野心を通じて新たな真実が姿を現す。カメラに撮られた歪曲された記憶、時間、空間は各人物の瓦解された夢と熱望、そのものである。

 

長い間独房生活だったたチンパンジーはオランダ救助センターで同族と暮らす方法を改めて習わないといけない。動物が動物らしく生きる方法を人間が教える過程は逆説的だ。訓練過程で感情的対立と倫理的問題が起こり、人間と霊長類の間の生煮えな関係が表に出る。人間の観点という限界を超えて他の種を理解することは果たして可能なのか。

 

かつて全世界の観客を魅了させた９０歳の引退したバレリーナ、最高の全盛期を謳歌したプリマバレリーナ、そして、たった今自身の夢を広げようとする若いバレ練習生まで、３人のキューバのバレリーナたちが登場するこの映画は、バレリーナとしての人生はそれぞれだが、彼女たちが代表する時代と彼女たちの変わらないバレエへの熱情を魅惑的に描く。

 

暖かい日差しが広がる素敵な町を横切って、「トゥクトゥク」は「アブダルラ」と「シャロン」そして、「ビカ」についていく。家族を養うためトゥクトゥクを運転するこの少年たちはひげの所か運転免許も取れないほど幼い。警察とこそ泥ら、他のタクシードライバーらにいじめられても、少年たちは束の間の楽しさを見つけたり、貧しさの監獄から抜け出すため、いつもチャンスを狙いながら生きている。

 

５人の老夫人らは高校を卒業した以来、６０年間以上、毎月一緒にお茶会を続けてきた。 各々性格は違うが、長い歳月を共にしてきてお互いを深く理解し合う関係になった。一緒に思い出を振り返ったり、最近の話題で話し合う。若さと歳を取ること、友情、そして、思い出など、彼女たちの素直で愉快なおしゃべりが繰り広げられる。

 

ピター・アントンの家はメチャクチャだ。暖房もきかないし電気も切られている。廊下は腐さっていって、天井はこみでいっぱいだ。しかし、映画監督のダンとエレンにとっては、孤独で病弱で気難しいながらも愉快なオナーのアントンはもちろん、彼の家そのものが魅惑的な芸術作品で満ちている空間なのだ。才能あふれる芸術家の後について行くこのアメージングな旅行は紆余曲折を通じて人間を救う芸術の力を見せてくれる。